類似商号の調査も終わり、会社の商号、事業目的、会社の本店は決まりました。
また、会社の印鑑や個人の印鑑証明の手配も終わりました。
ここでは、定款を作成する上で、会社の商号、事業目的、会社の本店以外で必要な事項を決めていき、そして、いよいよ会社の運営に関する基本的なルールである定款の作成について解説していくことにしましょう。
定款の作成は、会社設立の手続きの中でも登記の申請と並んで複雑でわかりにくいところでもあり、その作成についての解説は、このホームページの中でも1番の画期的な部分でもあります。
なお、定款は公証人役場で認証を受けることで初めて法的な効力を持つことになります。定款は1度認証を受けてしまうと原則として訂正がききませんので、定款の作成は慎重に行いましょう。
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@.その他の必要事項
A.定款について
B.定款作成のルール
C.定款の作成
D.公証役場で定款の認証を受ける





ここでは、定款を作成する上で、会社の商号、事業目的、会社の本店以外で必要な事項を決めていきます。また、本店の本店所在地に関しては、そろそろ具体的な場所まで決めておいたほうがいいでしょう。
まず、会社の決算期を決めていきましょう。会社の決算期に関しては個人の場合と違って任意に決めることができます。ただ、会社の決算期に関しては比較的仕事が忙しくない時期を選ぶようにしましょう。

次は役員に関する事項を決めていきます。
取締役は1名で足り、監査役は任意になっていますので、役員が取締役の1名のみでも会社の設立ができることになります。
なお、取締役を3名以上にすることで、会社に取締役会を作ることができます。
取締役会を作ることで、株主(会社に出資した人)が会社に口出しをする権限や機会を少なくすることができますので、経営者の視点から考えれば家族経営や個人経営以外の場合にお勧めできます。
ただし、取締役会を作りますと、1名以上の監査役を置く必要がありますので、取締役と合わせて最低でも役員は4人必要になります。
最後に資本金の額ですが、株式会社でも1円以上で設立が可能になりました。
ただ、出資者が複数いる場合は資本金に対して誰がどのくらいの割合で出資するのかも決めておきましょう。
なお、それ以外の細かい事項につきましては実際に定款を作成しながら決めていくことにしましょう。



定款は会社の憲法ともいえるもので、その内容で定められたことは法的な効果を持つことになります。また、会社の組織や運営に関する基本的なルールを定めたものでもあります。
定款は発起人全員で作成し、全員が署名押印する必要があります。
作成した定款は公証人役場で認証を受けることで初めて法的な効力を持つことになります。
なお、定款は1度認証を受けてしまうと原則として訂正がききませんので、定款の作成は慎重に行いましょう。
定款に記載する内容には以下の3つの事項があります。
 
@絶対的記載事項
定款には必ず記載しなければならない事項です。記載を欠いた場合は、その定款自体が無効になってしまうので、必ず定款の中に盛り込まなければなりません。(商号、本店、目的など、)
  
A相対的記載事項
定款に必ず記載しなければならない事項ではありませんが、記載しない場合は、その規定はなかったこととして扱われます。その規定がある場合は必ず定款に盛り込みましょう。(現物出資や株式の譲渡制限など、)
 
B任意的記載事項
定款に記載するかしないかは自由な事項です。会社を設立する上で定款に載せる任意的記載事項は大体決まっていますので、このあと説明する作成例に載せている事項は定款に載せておいたほうがいいでしょう。(決算期や役員に関する事項など)







定款を作成する上では一定のルールがあり、それに沿ったものでないと公証人役場での認証が受けられなくなってしまいます。実際に定款を作成する上で下記の事項を参考にして作成しましょう。
定款の作成では絶対的記載事項、相対的記載事項、任意的記載事項などをもれなく記載します。
用紙に関しては通常はA4またはB4サイズの上質紙を2つ折りにして使います。
作成部数に関しては、同じものを3通(公証役場保管用、会社保存用原本、登記所提出用謄本)作成することになり、作成した定款には、必ず個人の実印を使用し、発起人全員が実印を押印します。
 
なお、定款の訂正に関しては、修正箇所を黒く塗りつぶしたり、修正液や修正ペンなどでの訂正はできません。訂正箇所を二重線で消し、上に正しい文字を記入します。定款の最終ページに発起人全員で実印を用いて訂正印を押し「第○条中○字削除○字加入」などと訂正内容を記入します。
また、定款の綴じ方には、ホチキス止めと袋綴じの2種類があり、ホチキス止めの場合は全ページの綴じ目に契印をしなければなりません。袋綴じの場合は背の部分と裏表紙の境目に契印をします。







定款の作成についての一通りの知識は揃ったと思います。それでは実際に株式会社の定款を作成していきましょう。
ここからが当ホームページの中でも1番画期的な部分でもあり、実際に定款を作成していきながら、各項目について解説をしていくことにします。

例になっている定款の記載事項の中で、赤は絶対的記載事項青は相対的記載事項緑は任意的記載事項になります。

ここではソフトウェア開発株式会社という架空の会社を例に、実際に株式会社の定款を作成してみましょう。



 


ソフトウェア開発株式会社 定 款

 


第1章 総 則


 (商号)
第1条 当会社は、ソフトウェア開発株式会社と称する。

類似商号に該当しなかった商号の中から決定したものを記載します。



 (目的)
第2条 当会社は、次の事業を営むことを目的する。
1. ソフトウェアの開発、販売
2. 
ソフトウェアの保守及び顧客へのサポート業務
3. 前各号に付帯する一切の事業

すでに決まっている目的を記載します。なお、最後に「前各号に付帯する一切の事業」と記載します。



 (本店の所在地)
第3条 当会社は、本店を東京都渋谷区に置く。
または
第3条 当会社は、本店を東京都渋谷区渋谷一丁目2番3号に置く。

最小行政区画である市町村(東京23区や政令指定都市の場合は区)まで記載すれば足りますが、具体的な所在場所まで記載することもできます。なお、最小行政区画である市町村までの記載にしておけば、その市町村内で本店移転をした場合には定款変更の必要がないというメリットがあります。

 (公告の方法)
第4条 当会社の公告は、官報に掲載してする。

官報または時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙のどちらかによります。なお、「官報に掲載してする」と記載するのが一般的です。


 

 

第2章 株 式

 
 (発行する株式の総数)
第5条 当会社の発行する株式の総数は、1,000株とする。

会社が設立後に発行できる株式の限度枠になります。



 (株券の種類)
第6条 当会社の株式については株券を発行しない。  

 (株式の譲渡制限)
第7条 当会社の発行する株式は、すべて譲渡制限株式とし、これを譲渡によって取得するには、株主総会の承認を要する。ただし、当会社の株主に譲渡する場合は承認があったものとみなす。

この記載がなければ株式は自由に譲渡できることになります。なお、株式の譲渡制限を記載するほうが一般的です。


 (名義書換)
第8条 株式取得者が株主名簿記載事項を株主名簿に記載または記録するには、当会社所定の書式による請求書に、その取得した株式の株主として株主名簿に記載または記録された者またはその相続人その他の一般承継人および株式取得者が署名または記名押印し共同して請求しなければならない。
ただし、次の場合は、株式取得者が単独で請求することができる。
1 株式取得者が取得した株式の株主として株主名簿に記載または記録された者またはその相続人その他の一般承継人に対し、株主名簿記載事項を当会社に記載または記録すべきことを命じた確定判決を提出して請求するとき。
2 株式取得者が上記1の確定判決と同一の効力を有するものの内容を証する書面その他の資料を提出して請求するとき。
3 株式取得者が取得した株式の株主として株式名簿に記載または記録された者の相続人であって、これを証する書面を提出して請求するとき。
4 その他、会社法施行規則22条1項各号に定めるとき。

通常はこのように記載しておけばいいでしょう。

 (質権の登録及び信託財産の表示)
第9条 当会社の株式につき質権の登録または信託財産の表示を請求するには、当会社所定の書式による請求書に当事者が署名または記名押印し、共同して請求しなければならない。その登録または表示の抹消についても同様とする。

通常はこのように記載しておけばいいでしょう。


 (手数料)
第10条 前2条に定める請求をする場合には、当会社所定の手数料を支払わなければならない。

通常はこのように記載しておけばいいでしょう。




 

 (基準日)
第11条 当会社は、事業年度末日の最終の株主名簿に記載または記録された議決権を有する株主をもって、その事業年度に関する定時株主総会において権利を行使すべき株主とみなす。

通常はこのように記載しておけばいいでしょう。

第3章 株主総会


 (召集および召集権者)
第12条 当会社の定時株主総会は、毎事業年度終了後3か月以内に召集し、臨時株主総会は必要に応じて招集する。

2 株主総会を招集するには、会日より3日前までに、議決権を有する各株主に対して召集通知を発するものとする。ただし、総株主の同意があるときはこの限りではない。
3 前項の召集通知は、書面ですることを要しない。

通常はこのように記載しておけばいいでしょう。



 (議長)
第13条 株主総会の議長は、取締役がこれに当たる。

2 取締役に事故もしくは支障があるときは、当該株主総会で議長を選出する。
通常はこのように記載しておけばいいでしょう。

 (株主総会の決議)
第14条 株主総会の普通決議は、法令または定款に別段の定めがある場合を除き、出席した議決権を行使することができる株主の議決権の過半数をもって行う。

通常はこのように記載しておけばいいでしょう。

 (総会議事録)
第15条 株主総会における議事の経過の要領およびその結果並びにその他会社法施行規則72条に定める事項は、議事録に記載または記録し、議長および出席した取締役がこれに署名もしくは記名押印または電子署名をし、10年間本店に備え置く。

通常はこのように記載しておけばいいでしょう。

第4章 取締役

 (取締役の員数)
第16条 当会社の取締役は1名以上とする。

通常はこのように記載しておけばいいでしょう。



 (取締役の選任)
第17条 当会社の取締役は、株主総会において議決権のある発行済株式の総数の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数の決議によって選任する。

通常はこのように記載しておけばいいでしょう。



 (取締役の任期)
第18条 取締役の任期は、選任後10年以内に終了する最終の事業年度に関する定時株主総会の終結時までとする。

→ 取締役の任期は10年まで延ばすのが限度となります。

 
 (取締役に対する報酬)
第19条 取締役の報酬は、株主総会の決議により定める。
→ 通常はこのように記載しておけばいいでしょう

第5章 計 算



 (事業年度)
第20条 当会社の事業年度は、毎年4月1日から、翌年3月31日までの年1期とする。

1年を超えない範囲で任意に決めることになります。決算期は比較的仕事が忙しくない時期を選ぶようにしましょう。



 (剰余金の配当)
第21条 剰余金の配当は、毎事業年度末日現在の最終の株主名簿に記載または記録された株主および登録質権者に対して支払う。

通常はこのように記載しておけばいいでしょう。

 (配当金の除斥期間)
第22条 剰余金の配当が、支払いの提供をした日から3年を経過しても受領されないときは、当会社は、その支払いの義務を免れるものとする。

→ 通常はこのように記載しておけばいいでしょう。

 

第6章 附 則

 (設立の際に発行する株式の数)
第23条 当会社の設立時発行株式の数は、20株とし、その発行価格は1株につき5万円とする。

→ 1株の金額は自由に決めることができ、資本金の額を1株の金額で割って、設立時発行株式の数を記載しておけばいいでしょう。

 (設立に際して出資される財産の価額または最低額)
第24条 当会社の設立に際して出資される財産の価額は金100万円とする。
→ 通常はこのように記載しておけばいいでしょう。

 (最初の事業年度)
第25条 当会社の最初の事業年度は、会社成立の日から平成19年3月31日までとする。

→ 例えば、2月に会社を設立して3月を決算期にすると、会社を作って1か月余りで決算の手続きをしなければならなくなります。第20条の事業年度も考慮しながら決めるようにしましょう






 (設立時取締役)
第26条 当会社の設立時取締役は次のとおりとする。

  設立時取締役  田 中 太 郎

→ 通常はこのように記載しておけばいいでしょう。

 

 (発起人の氏名、住所、割当を受ける株式数およびその払込金額)
第27条 発起人の氏名、住所、発起人が割当を受ける株式数およびその払込金額は、次のとおりである。

    東京都新宿区新宿一丁目2番3号
    20株  金100万円  田 中 太 郎

→ 発起人は個人でなく会社でもなることができます。なお、記載した住所は印鑑証明書の住所と一致しなければなりません。

 (法令の準拠)
第28条 この定款の規定にない事項は、すべて会社法その他の法令に従う。

→ 通常はこのように記載しておけばいいでしょう。

 以上ソフトウェア開発株式会社を設立のため、発起人田中太郎が本定款を作成し、次に記名押印する。

 平成18年6月20日

      発 起 人   田 中  太 郎   印鑑 ←個人の実印で押印します。

ここまでで株式会社の定款作成に関する解説は終了です。







 

定款の作成が終わったら公証人役場で定款の認証をしてもらうことになります。なお定款の認証は、どの公証人役場でもいいというわけではなく、設立登記を申請する法務局(登記所)に所属する公証人役場に行くことになります。公証人が不在の場合もありますので、あらかじめ予約を入れてから行くほうがいいでしょう。
公証人役場には、原則としては発起人全員で行くことになりますが、委任状があれば代理人だけでも定款の認証をすることができます。 定款の認証には以下の書類が必要になります。
 

** 定款認証に必要な書類一覧 **
持参するもの
内容
@定款
・・・
定款は3通必要になります。1通は公証人役場での保管用、1通は会社保存用の原本、1通は設立登記の申請で必要になります。
A印鑑証明書
・・・
発起人全員の個人の印鑑証明を各1通ずつ
B収入印紙 
・・・
金4万円分(@の公証人保管用の定款に貼付します。)
C認証手数料
・・・
金5万円(定款の認証時に公証人に支払う手数料です。)
D謄本手数料
・・・

1枚につき250円(作成した定款が5枚であれば1,250円必要になります。)

E委任状
・・・
定款の認証を代理人に依頼する場合に必要になります。なお、委任状には委任する発起人全員の記名と実印による押印が必要になります。